国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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〔07年終盤〕国際刑事裁判所の発足後の歴史(2008.01.07)

国際刑事裁判所ICC)の世界の現在 (2007年終盤)

8月
・31日、国連総会にて、国際刑事裁判所に関する第三次報告(2006年8月~2007年9月度)が行われる。報告では、期間中4つの案件に取り組み、検察官がその全ての案件について捜査を行ったこと、2007年5月22日に中央アフリカに対する捜査開始も発表したこと、ならびにコンゴ民主共和国の案件が公判段階に入ったこと、スーダンの案件では逮捕状が発行されたことなどが挙げられ、報告者は逮捕実行のための協力を締約国に求めた。
10月
・1日、日本国内において、国際刑事裁判所ローマ規程、その履行法である「国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律」ならびに諸政令・規則が発効する。日本はこの日以降、ICCの管轄権を受託したことになり、この日以降、日本国民によってICCの管轄に服す犯罪が行われた場合は、ローマ規程に従って国内法で裁くか、ICCによる訴追を受け入れることになる。また、この日を境に、日本領土内において、他のICCの締約国の国民により同様の犯罪が為された場合、その訴追をICCに委ねることができる。

・17日、ICCコンゴ民主共和国について、新たにFRPI(コンゴ愛国的抵抗戦線)司令官であるGermain Katanga(ジェルマン・カタンガ)被疑者の逮捕により、コンゴ案件では2件目となる案件の審理を開始したことを発表。(詳細:AFP
*24日、 スリナム政府は アメリカが署名を求めている二国間免責協定について、これを署名しない意向を発表した。スリナムは現在、ICCの締約国ではないが、同国議会は一丸となって加入の意向を表明している。
11月
・7日、中央アフリカの政府の要請を受け、ICCが2002年~2003年の間に行われたとされる性的暴力及び人道に対する罪についての調査を実施するため同国のバンギに事務所を開設した。

・9日、ICCの第一審裁判部第1法廷によりコンゴ民主共和国のトマ・ルバンガ・ディーロ被疑者に対する公判の開始日が2008年3月31に決定。これにより検察局は、今年12月14日までに全ての証拠を提出しなければならなくなった。

・30日、ニューヨークで開催された第6回締約国会議において、判事3名の欠員を補うための補欠判事選挙が実施され、日本の齋賀富美子人権担当大使(82票)とフランスのブルーノ・コッテ氏(79票)が当選を果たす。3人目は必要得票数に達しなかったため後日再投票を行うことになった。
12月
・3日、ニューヨークで開催中の第6回締約国会議において、判事3名の欠員を補うための補欠判事選挙の第3回投票が実施された。有効過半数に達する候補が決しなかったため、第4回投票を実施することになったが、その直前にトリニダード・トバゴが候補取り下げを表明。上位二者による決選投票を行うこととなった。結果、ウガンダのダニエル・ンセレーコ候補が74票を獲得し、3人目の判事として選出された。(詳細

・12日、第6回締約国会議において、 リヒテンシュタインののクリスティアン・ウィナヴェザー大使(H.E. Amb. Christian Wenaweser)が2008年~2009年度の議長に選出される。大使は侵略犯罪に関する特別作業部会(SWGCA)の議長でもある。