国際刑事裁判所(ICC)の世界の現在 (2008年後半)
7月
■1日、国際刑事裁判所ローマ規程が2002年同日の発効から6周年を迎えた。日本は発効5周年目で加盟を果たしたことになる。
■3日、ベルギー政府当局は中央アフリカの案件で、 コンゴ民主共和国前副大統領のジャンピエール・ベンバ・ゴンボ(Jean-Pierre Bemba Gombo)被疑者をハーグのICC拘留センターに移送した。ベンバ被疑者は、2008年5月23日付で秘密逮捕状の公開と同時にベルギー当局により逮捕・拘束されていた。(→関連) ■14日、ICCのモレノオカンポ検察官は予審裁判部に対し、スーダン共和国現大統領のオマル・バシル氏に対する逮捕状の発行を請求した。厳正な審理ののちICC史上初の現職国家元首の訴追が判断されることになる。(→初報)(→続報) ■15日、南米スリナムがローマ規程への批准書を国連に寄託した。これにより、スリナムは中南米地域では23カ国目(米州全体では25カ国目)、全体では107カ国目としてICCに加入することになる。ローマ規程は同国に対し10月1日付で発効する。 同15日、フランス政府はローマ規程124条の規定に基づく同規程第8条の7年間の適用猶予を求める宣言を公式に撤回。その旨を国連事務局に通達した。(→関連) ■17日、国際刑事裁判所ローマ規程が1998年同日の採択から10周年を迎えた。「国際司法の日」と国際的に定められたこの日、国際刑事裁判所の本拠地であるハーグや国連本部を含め世界各地で祝賀式典が行われる。(→関連) ■18日、オセアニアのクック諸島がローマ規程への批准書を国連に寄託した。これにより、クック諸島はアジア大洋州地域では14カ国目、全体では108カ国目としてICCに加入することになる。ローマ規程は同国に対し10月1日付で発効する。 ■30日、南アフリカ出身のナヴァネセム・ピッライ(Navanethem PILLAY)判事がICC判事辞任の意思を表明。ピッライ判事は国連の潘基文事務総長より国連人権高等弁務官への就任要請を受けており、これを国連総会が承認したため判事の辞意と高等弁務官就任の決意を固めた。(→詳細) |
8月 |
9月 |
11月
■14~22日、ハーグで第7回国際刑事裁判所締約国会議が開かれ、ICCの運営予算前年比12%増しを承認して閉会した。会議の付属機構である侵略犯罪に関する特別作業部会では侵略の定義・管轄権の行使要件などについて深い議論が行なわれたが結論は出されなかった。2010年の規程再検討会議の一月前には結論を出すことになっているため、来年は1月・2月のうちに判事選挙とこの部会に集中した審議を行い結論が出される予定。(→現地報告)
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12月
■3日、ICCのモレノオカンポ主席検察官が国連安保理でダルフール付託案件に関する第8回定例報告を行った。報告の中でオカンポ検察官は安保理の指導力不足が重大な結果を生むだろうと警告。安保理に対し協調行動の必要性を強く訴えた。(→ICC-CPIのプレスリリース(原文)※要約掲載予定)
■29日、ICCの予審裁判部第三法廷は中央アフリカのベンバ案件について、ジョン・ベンバ被疑者の罪状認否確認のための公開審理が来年1月12日から15日の間に行われることを発表した。 ■31日、イスラエル軍によるパレスチナ自治領のガザ地区に対する武力攻撃は、国際人道法に対する重大な違反であると国連特別報告者のリチャード・フォーク教授がステートメントを発表。中東テレビ局のインタビューでは、イスラエル当局に対するICCへの提訴を提言した。こうした呼びかけに対し日本の専門家は、その実現性は否定するが意義ある運動であると主張している。(→詳細(外部サイト) |
※2008年終盤は、これ以上に様々な重要な出来事がありました。
不足分については、適時、歴史を綴る形で追加する予定です。
不足分については、適時、歴史を綴る形で追加する予定です。