ICC検察局の
10日付のプレスリリースによれば、
ICCの
モレノオカンポ検察官は来る
14日、
スーダン・
ダルフールの案件について過去5年間、同地域で行われた犯罪の一連の証拠を予審裁判部に提出する予定だそうです。現在、
ICC検察局はその証拠がどの個人の犯罪を指し示すものか公式には明らかにしておりませんが、上記のAFPの記事と同様の内容を、実は
CICC・NGO連合関係者の間でもすでに確認しています。つまり、
ICC史上初、
現職大統領の訴追が実現する可能性があります。
予審裁判部はこの請求を受けて、法的根拠に基づいて同案件が訴追可能かどうかを判断します。
そこに政治的判断は加わりませんし、
ICCは政治的な判断を行う機構ではありません。
スーダン政府は当然、全面拒否の構えでこれに立ち向かいます。しかし、これで報道にあるようにスーダン政府あるいは政府系民兵による国連平和維持部隊への報復攻撃が発生した場合などには、国際社会はダルフール事態を別の次元から見つめなおさなければいけなくなります。国連平和維持部隊と文民を巻き込んだ大量殺害を黙過するか、これを阻止すべく行動を起こすか。厳しい選択を迫られることでしょう。
ダルフールでは9日、
武装勢力の襲撃により
AU合同平和維持部隊員1人が死亡、6人が重体となる事態 が発生しています(
読売)。それだけに、AFPが懸念する不測の事態の発生は、決して遠い可能性といえるものではありません。