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2001年10月7日のアフガニスタン攻撃開始以降、アメリカや日本を含む国際社会がこれまで行ってきた活動や取組みは、実に多岐に渡ります。破綻国家といわれる内乱状態にあった1つの主権国家の政府機能を、武力で完全に破壊した後で武力で再建し、軍民一体となって新政府に正統な権限を戻し平定することは、それほどに難儀なことです。
民主党アフガン対策案概念図I(概略編I)
はじめに2001年10月7日のアフガニスタン攻撃開始以降、アメリカや日本を含む国際社会がこれまで行ってきた活動や取組みは、実に多岐に渡ります。破綻国家といわれる内乱状態にあった1つの主権国家の政府機能を、武力で完全に破壊した後で武力で再建し、軍民一体となって新政府に正統な権限を戻し平定することは、それほどに難儀なことです。
真にアフガニスタン及び国際社会に貢献する案は、日本を含むこれまでの国際社会の取組みを把握したうえで、その問題点を洗い出し、改善点を提案することです。「OEFへの給油」か「ISAFへの派遣」かという二者択一ではなく、2001年以降の6年間の取組みを振り返ったうえで、維持すべきことは維持し、改めるべきことは改める─日々ますます治安状況が悪化するアフガニスタンの状況は、まさにこの「仕切りなおし」のプロセスを必要としています。この仕切りなおしにより、アフガニスタン及び国際社会に対する総合的な負担を軽減し、将来にわたるコストの緩和を図ることが可能だからです。
この概略編Iでは、その「仕切りなおし」プロセスの一環として、現状把握のために、アフガンに係る各プレイヤーとその位置付け、取組み、深度など総ての要素を図案化してみたものです。
概説:概念図I 「各プレイヤーの取組みと位置付け」
この図は、アフガンにおける日本を含む国際社会の各プレイヤーが、それぞれこれでまで(1)どの「枠組み」で、(2)どの「取組み」分野において、(3)どの「役割」を担ってきたか、また(4)その範囲と、その中での日本の(5)これまでの貢献と(6)これからの貢献分野の概略を図示したものです。
以下に、その構成と要素をそれぞれ説明します。 |
構成
要素
軸 | 要素 | 方向 | 内容 |
縦 | 枠組み | 下→上 | 武力行使から民生活動(軍事→民生)へと段階的に移行する各種枠組み |
横 | 取組み | 左→右 | 武力行使から民生活動(軍事→民生)へと段階的に移行する各種取組み |
要素
No. | 枠組み | 取組み範囲 | 備考 |
① | OEF(*1) | 武力行使→麻薬対策 | PRTも一部含む。OEF-MIO(日本)はこの枠組み |
② | ISAF(*2) | 武力行使→開発支援 | 武力も行使するが開発支援活動も行う |
③ | UNAMA(*3) | DIAG(*4)→開発支援 | 武力行使を伴わない文民政治ミッション |
④ | G8諸国(*5) | DDR(*6)→司法改革 | 文民政治ミッションを分担 |
⑤ | 日本 | 和解促進→GOLIAG(*7) | 穏健派との和解を推進しSSR(*8)の範囲を拡大 |
⑥ | 軍事対応 | 武力行使→プレゼンス | 自衛権行使・集団安全保障による敵性勢力の掃討など |
⑦ | 信頼醸成 | 民軍関係→和解促進 | 良好な民軍関係や穏健派との和解の推進 |
⑧ | MHS(*9) | 民軍関係→人材育成 | 集団安全保障での活動の総てを司る新しい省(将来) |
⑨ | HS(*10) | ニーズ調査→開発支援 | 人道復興支援活動を行うために必要な活動の空間 |
⑩ | 国内対策 | 人材育成 | 国内で行う中長期の人材育成活動 |
⑪ | SSR | 和解促進→司法改革 | 国家再建のための治安分野改革の範囲 |
⑫ | UNEPS(*11) | 武力行使→警察改革(後述) | 国連の枠内で活動する個人参加の民軍混成部隊 |
⑬ | 日本 | 和解促進→GOLIAG | 穏健派との和解を推進しSSRの範囲を拡大 |
⑭ | 民生支援 | ニーズ調査→開発支援 | 純粋に民生支援と呼べる範囲はここまで |
⑮ | HSC-A(*12) | 人材育成 | 民政官のオールジャパンの人材育成システムを構築 |