国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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解説「締約国会議(ASP)」とは(2010.06.20更新)

締約国会議(Assembly of State Parties: ASP)

 締約国会議(ASP)とは、ICC設立に関する国際条約であるローマ規程に加盟する国家の集まりを指し、加盟107カ国のうち66カ国が原加盟国を務めるICCの最高意思決定機関です。現在は111カ国の全てが締約国会議のメンバーとして、会議への参加及び投票資格を持っています。
 ASPはICCの運営や予算に関する決定権を持ち、ICCの運営状況を監督する立場にあります。同様の組織は世界銀行(World Bank:WB)や国際復興開発銀行(International Bank for Reconstruction and Development:IBRD)などその他の国連・国際機関にも見られ、あらゆる国際条約は基本的にASPによってその履行の監視・監督が行われるようになっています。ICCも国際条約なので、例外ではありません。ただし、これまでに設置された国際機関とICCの決定的な違いは、ASPもまた世界のNGOの連合体であるCICCによって監視されているという事実です。
 国家の集まりである国際条約において民間のNGOがこれほどの影響力を持つことは異例ですが、NGO連合はICCの発足の過程に深く関わってきており、蓄積されたノウハウやネットワークはICCを補完するものであるため、両者は相互補完的な関係にあります。(※)

※ ASP側がCICCに協議に参加できるが投票権を持たないオブザーバー資格を与える一方、CICCはASPに対しノウハウやナレッジベースなどのリソースの供給を行っています。こうした相互補完的な関係は、2003年の第2回締約国会議でASP決議「ICC-ASP/2/Res.8」として明文化され、CICCは公式にICCの運営に関わる資格を持つNGOの連合体としてASPに認められました。これは、ASPが公然とCICCによる監視を認めたも同然に値する、国際条約史上画期的な出来事でした。


ASPメンバー国一覧(加盟順)
セネガルトリニダード・トバゴサンマリノ
4	イタリア
5	フィジー
6	ガーナ
7	ノルウェーベリーズタジキスタン
10	アイスランド
11	ベネズエラ
12	フランス
13	ベルギー
14	カナダ
15	マリ
16	レソト
17	ニュージーランド
18	ボツワナ
19	ルクセンブルグ
20	シエラレオネ
21	ガボン
22	スペイン
23	南アフリカ
24	マーシャル諸島
25	ドイツ
26	オーストリア
27	フィンランド
28	アルゼンチン
29	ドミニカ
30	アンドラ
31	パラグアイ
32	クロアチア
33	コスタリカ
34	アンチグア・バーブーダ
35	デンマーク
36	スウェーデン
37	オランダ
38	セルビア(旧セルビアモンテネグロ)
39	ナイジェリア
40	リヒテンシュタイン
41	中央アフリカ
42	英国
43	スイス
44	ペルー
45	ナウル
46	ポーランド
47	ハンガリー
48	スロベニア
49	ベナン
50	エストニア
51	エクアドル
52	ポルトガル
53	モーリシャス
54	マケドニア(旧ユーゴ連邦)
55	キプロス
56	パナマ
57	ボスニア・ヘルツェゴビナ
58	ブルガリア
59	カンボジア
60	コンゴ民主共和国
61	アイルランド
62	ヨルダン
63	モンゴル
64	ニジェール
65	ルーマニア
66	スロバキア
67	ギリシャ
68	ウガンダ
69	ブラジル
70	ナミビア
71	ボリビア
72	ウルグアイ
73	ガンビア
74	ラトビア
75	オーストラリア
76	ホンジュラス
77	コロンビア
78	タンザニア
79	東チモール
80	サモア
81	マラウィ
82	ジブチ
83	ザンビア
84	韓国
85	マルタ
86	セントビンセント及びグレナディーン諸島
87	バルバドス
88	アルバニア
89	アフガニスタン
90	リトアニア
91	ギニア
92	グルジア
93	ブルキナファソ
94	コンゴ
95	ブルンジ
96	リベリア
97	ガイアナ
98	ケニア
99	ドミニカ共和国
100	メキシコ
101	コモロ諸島 
102	セントクリストファー・ネイビス 
103	モンテネグロ共和国
104	チャド
105	日本
106	マダガスカル
107	スリナム
108 クック諸島
109 チリ
110 チェコ
111 バングラデシュ