国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

非核関連転載記事に対するGlobalPeace氏のコメント(全文)

以下は、当ブログ転載記事に対するGlobalPeace様からのコメントをブログ管理者権限において転載したものです。全部11部もありあまりに長大なため、全文を一部見やすく(URLなど)改編してこちらに転載し、この記事に対するトラックバック記事を新規に執筆する形で返信したいと思います。

尚、本記事に対する返信については、新内閣発足に伴い本業が多忙となるため、当方に時間のあるときにさせて頂きますことをあらかじめご了承ください。また本転載記事の転載を禁じます(ただし本記事に対する私自身の返信記事についてはこの限りではありません)。【JNICC勝見】




分割コメント1
貴殿の見方はケネディが何をやったか現実を見つめずに神格化して全面的に賞賛する典型例ですが、全面的に事実を誤認してます。
貴殿はケネデイがキューバ危機を収束したと賞賛してますが、キューバ危機が起こった原因とケネディキューバにやったことは下記のとおり。
アメリカは1898年の米西戦争でスペインからキューバを獲得した後も軍政下において直接支配してきた。
大恐慌で財政逼迫したアメリカは軍事占領を解く代わりに、アメリカの傀儡のバチスタ政権を作って間接支配してきた。
カストロが率いる革命運動はバチスタ政権を打倒して革命政権を樹立した。
アイゼンハワーキューバ政府が求めた平等互恵関係への改革を拒否し、カストロ政権を打倒して再び傀儡政権を作って支配しようと企み、アイゼンハワー政権下でカストロ政権打倒計画を立て、アイゼンハワーの退任直前の1961年1月に国交断絶を通告した。

分割コメント2
ケネディ就任後、アメリカ政府は亡命キューバ人に武器と資金を提供し、米軍基地で軍事訓練を施し、アメリカ軍が背後から支援すると約束して、1961年4月、亡命キューバ人部隊はアメリカ軍基地から出撃し、カストロ政権打倒を目指してキューバに侵攻(ピッグス湾事件)したが作戦は失敗した。
ケネディはピッグス湾事件の失敗後、キューバに対して経済制裁を発動した。
ケネディはその後も、マングース作戦と名ずけたカストロ政権打倒クーデター計画やカストロ暗殺計画をCIAに命じて繰り返した。
このままではいつかアメリカの政権転覆か暗殺されると恐れたカストロソ連に支援を求め、フルシチョフ(も含めて歴代のソ連の指導者は全て)はアメリカと戦争する意思は無かったが、キューバにミサイルを配備すると見せかけて、アメリカ政府を交渉の場に引き出し、キューバの核ミサイルを撤去する交換条件で、アメリカがトルコに配備していた中距離核ミサイルの撤去を要求し、ソ連の思惑どおりにキューバととるこのミサイルを両方撤去することで決着が付いた。

分割コメント3
ケネディキューバ危機の解決後もカストロ政権の打倒工作やカストロ暗殺工作を繰り返したので、窮鼠猫を噛むで、カストロが放った工作員に暗殺された。
アメリカとキューバケネディカストロの関係は上記が史実である。
それらのいきさつや詳細は、米民主党支持のニューヨークタイムスの記者のティム・ワイナー著の「CIA秘録」文藝春秋刊、機密指定を解除された公文書や当時のCIA幹部への取材により詳細に解説されている。→AmazonのCIA秘録の解説

分割コメント4
貴殿はケネデイが非軍事主義と軍縮主義と国際協調主義でを世界平和を追求したと賞賛してますが、ケネディは戦争や軍事介入の常習者であり、キューバに対してだけではなくベトナムにも軍事介入を行った。ケネディベトナムにやったことは下記のとおり。
1946~1954年のベトナム独立戦争に勝利してベトナムはフランスから独立したが、アイゼンハワーベトナム全土の共産化を阻止するためにベトナム南部にアメリカの傀儡国家の南ベトナムを作り、背後から支配していた。
1960年12月に、南ベトナムの傀儡政権の打倒とベトナム統一を目ざす、南ベトナム解放民族戦線が結成され、南ベトナム政府軍に対して戦闘を開始した。1961年1月に就任したケネディは、アメリカの傀儡政権と傀儡国家を守り、南ベトナムの共産化を阻止するために、1961年11月に軍事顧問団と称する実際は戦闘部隊を派遣し、南ベトナム解放民族戦線に対する壊滅作戦を開始した。

分割コメント5
南ベトナム解放民族戦線に対する壊滅作戦は、ベトナムの農民に対して戦略村と称するキャンプへの入村を強要し、入村を拒否するベトナム人南ベトナム解放民族戦線のゲリラかその協力者とみなし、ベトナムの田畑や野山やジャングルに、対人地雷、クラスター爆弾、ナパーム弾、枯葉剤を投下する絨毯爆撃を敢行し、ゲリラも農民も大量殺害する作戦だった。
ケネディは1963年には派遣軍を16000人まで増強したが、アメリカの傀儡の腐敗した独裁政権は民衆の支持が無く、ゲリラを壊滅させることはできなかった。対人地雷、クラスター爆弾枯葉剤は戦争が終わった後も現在まで影響を及ぼしているが、アメリカ政府はいかなる責任も認めず、いかなる謝罪も賠償もしていない。ケネディを神格化する人はベトナム戦争へのアメリカの軍事介入の開始時期を1965年だと強弁するが、1965年は北爆が始まった年で、アメリカの軍事介入とゲリラ壊滅作戦は1961年から始まっている。ジョンソンとニクソンの時代も含めて、アメリカはベトナム戦争ベトナム人を推定500万人殺害した。

分割コメント6
アメリカとベトナムケネディ南ベトナム開放民族戦線の関係は上記が史実である。
それらのいきさつや詳細は、ニューヨークタイムスの記者のデイヴィッド・ハルバースタム著の「ベスト&ブライテスト」朝日新聞刊、機密指定を解除された公文書や当時の政府やCIA幹部への取材により詳細に解説されている。

分割コメント7
貴殿はケネディ軍縮や核軍縮の取り組んだと賞賛していますが、それは事実ではない。
アメリカ合衆国政府の行政予算管理局の、THE BUDGET FOR FISCAL YEAR 2010, HISTORICAL TABLESのTable 3.1-OUTLAYS BY SUPERFUNCTION AND FUNCTION: 1940-2014 の統計では、アメリカの軍事支出は1960会計年度の約480億ドルから、1963会計年度は約530億ドル、1964会計年度(1963年10月~1964年9月)は約550億ドルに増加しているので、ケネディが軍事費削減に取り組んだとの賞賛は、真実とは全く真逆の捏造話である。→PDF文書の51ページで論理文書の47ページ

分割コメント8
アメリカの核弾頭保有数は、ケネディ就任前年の1960年は約20000発で、ケネディの在職の最後の年(1963年11月下旬の暗殺)には約29000発と、約45パーセント増加しているので、ケネディが核軍縮に取り組んだとの賞賛は、真実とは全く真逆の捏造話である。→核兵器保有国の核弾頭保有数
ケネディを神格化してる人にこのような事実を一次資料の検証可能性を示して解説しても、金日成を神格化してる人たちが拉致を認めなかったのと同じく、絶対に認めない人が多いのです。

分割コメント9
アメリカは対人地雷禁止条約に対しては、クリントンもブッシュもオバマも署名していない。クラスター爆弾禁止条約に対してもブッシュもオバマも署名していない。オバマはブッシュが署名撤回を宣告した国際刑事裁判所条約に対しても、再署名するとも、上院に批准を働きかけるとも、積極的な言動はしていない。オバマイラク戦争は事後的に正当化したうえで2011年12月までに全軍撤退の計画を発表したが、アフガンに対しては、アルカイダタリバンの壊滅を掲げて派遣軍を増派しているので、それらについてはブッシュと大差ない。また、軍縮、環境、人権などでアメリカが未加盟の条約は多数あり、アメリカ外交の独善的な自国中心傾向や好戦的で武力行使の抑制力が低い傾向は民主党でも共和党でも違いはない。

分割コメント10
もしケネディの在職時に国際刑事裁判所条約があり、アメリカが加盟国なら、ケネディも訴追の対象です。ブッシュが行ったイラク戦争やアフガン戦争は批判しても、ケネディが行ったベトナム戦争への軍事介入や、キューバへの軍事介入は存在しなかったことにするかまたは正当化する、共和党政権が行った戦争は批判しても民主党政権が行った戦争は批判しないか正当化する(戦争や戦争犯罪に対して、自分が支持する政治家や政党や国家によってダブルスタンダードを使い分ける)のでは、戦争の抑止も軍縮も不可能であり、貴殿が取り組んでいる戦争の抑止や軍縮国際刑事裁判所の実効化に照らして、自己矛盾である。

分割コメント11
貴殿はアメリカの外交政策や軍事政策に詳しいと思い込んでるようですが、上記のように対キューバ政策、対ベトナム政策、軍事政策、核兵器政策について、ケネディを神格化するのに都合よい捏造された情報だけを、検証もしないで真実と思い込んで垂れ流し、ケネディオバマが犯した戦争犯罪・人道犯罪を否認または不問にしている。そのような認知や言動は、真実を隠蔽・歪曲し、嘘や妄想を真実であるかのように他人に広めるので、世界平和の実現にも、国際刑事裁判所の実効化にもマイナスにしかならない。世の中には様々なプロパガンダデマゴーグが垂れ流されているので、情報は様々な観点からその真偽や偏りをできるだけ一次資料を参照して検証し、バランスをとって認識して考えなければ、虚偽や偏見を真実と思い込まされ平和も人権も環境保護も実現できなくなります。民主党の政治家なら日本人やドイツ人や朝鮮人キューバ人やベトナム人やアフガン人を戦争で殺しても不問ですか。
文責:GlobalPeace様
改編:JNICC勝見