国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

訃報:ICC裁判官の斎賀判事がハーグで死去

今朝、とても悲しい報せがハーグのCICC支部から届きました。
情報の真偽を確認したところ、事実だと判明したのでお知らせ致します。

今年3月、ICCの判事として再選された日本の齋賀富美子判事が24日、急病のためハーグで亡くなられました。享年65歳だったそうです。

ICCのプレスリリースによると、駆けつけたご家族に看取られて亡くなられたのこと。
死因は病気によるものとのことですが、仔細は発表されておりません。

同月ICCの裁判所長に就任したサン・ヒュン=ソン判事はプレスリリースで、以下のような哀悼のメッセージを手向けています。

「斎賀判事の死は、当裁判所にとってとてつもなく大きな損失です。彼女の持つ、公平な感覚と品のよさの上に成り立つ、鋭い法的見識と厳正な裁判を求める姿勢は、彼女がいかに優秀な法学者であったかを物語っていました。彼女が国際刑事司法制度の発展にもたらした貢献は、永遠に記憶されることでしょう」

“Judge Saiga’s death is an enormous loss to the Court. Her sharp legal acumen and dedication to impartial justice, coupled with her balance and grace, made her an eminently capable jurist. Judge Saiga will forever be remembered for her critical contributions to international criminal justice,” said Judge Sang-Hyun Song, President of the Court.

斎賀判事とは個人的にも何度かハーグやニューヨークでお会いしたことがあり、判事就任後ご丁寧にも議員事務所に訪問してくださったこともありました。

日本初のICC判事という重責を負いながら、年齢の壁と闘いつつも立派に職務を全うした斎賀判事に心からの敬意と哀悼の意を表したいと思います。

ご冥福を祈りいたします。

2009年4月25日

勝見貴弘
http://www.icc-cpi.int/NR/rdonlyres/D406FB70-9833-4DFA-8014-1637413C51AE/0/jugesaiga06.jpg
生前の斎賀判事(今年3月の就任宣誓式典にて)