国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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【米国】ブッシュ大統領、最後の記者会見でICCに言及(2009.01.12)

AFPによれば12日、米国のブッシュ大統領は、20日オバマ新大統領就任を控えた最後の記者会見で初めて、ICCに対して肯定的ともとれる発言をしたようです。この皮肉交じりの発言は果たして、「国際刑事裁判所ICC)に加盟すべきだった」という敗戦の弁なのでしょうか。

さらに、中東問題をすべてイスラエルの責任にしたり、京都議定書(Kyoto Protocol)への調印や国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)への参加が実現していれば、欧州では人気がでただろうと語った。

次期大統領のオバマ氏は、軟化するブッシュ政権のICC政策を継承することになり、すでに米国の反ICC姿勢は崩壊しているといえます。オバマ氏個人は選挙キャンペーン中もICCについて肯定的な発言を行っており、慎重派だがICCに決して批判的ではなかったヒラリー・クリントン女史国務長官に迎え、国連大使「保護する責任」原則の支持者であるスーザン・ライス女史を閣僚待遇で国連大使に抜擢したオバマ政権は、反ICC政策を翻しむしろ2010年のローマ規程検討会議に乗り込んでくるであろうと、ある米国のシンクタンクは分析しています。

ブッシュ政権の交代により、米国は1998年以降10年以上続けてきた反ICC政策を劇的に転換することになると見られています。それがダルフールグルジア情勢、さらには中東和平などにどのように影響するか。2009年はICCにとっても「変化の年」となるかもしれません。