国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

【転載】9条世界会議参加報告(分科会編)自主企画(上)

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分科会は本当に満員御礼状態で、どこも長蛇の列が立ち並んでいた。


以下は、私・JNICC勝見ではなく、Yahoo!憲法関連の掲示板で知り合った、aiti2521さん(以後、アイチさんと呼びます)という護憲派の有志の方が転載を快諾してくださったアイチさん自身による分科会参加報告です。原則として、アイチさんの言葉そのままに転記しますが、より視覚的にわかりやすいレイアウトに改編することについても許諾頂いていますので、若干文字の修正等の変更も加えます。また、文中気付いた誤字脱字などがあったら、それらも適宜修正して転載しています。尚、アイチさんも私同様、参加者の発言などは一語一句を正確に書きとめたわけではなく、自分のとった走り書きメモの内容から回想してなるべく詳細に書き上げようとしているだけなので、一部実際の発表者の意図するものとは違う言葉や考え方になっている場合があることを予めお断りしておきます。ご了承ください。


昨日(5日)9条を巡る現状を肌で感じたくて、9条世界会議に参加してきました。各分科会場はどこも超満員で、椅子を追加しても足りず、周りは立見、中の通路の床に座り込み熱心にメモしたりという人達で溢れんばかりでした。私も当初予定していた会場に入れず、潜り込める会場に飛び込んだという感じでした。
 私が参加したのは以下の3つ。

シンポジウム1 世界の紛争と非暴力
 (会場到着が遅れたため、同時通訳機が全て貸し出されていた為、海外パネリストの話が殆ど理解できなかった)
自主企画/環境から見た基地問題/主催・憲法9条を生かす法律家有志の会
 (予定していた会場が入れず、途中から飛び込んだ)
自主企画/憲法9条とメディア/主催・マスコミ9条の会・韓国記者協会

①については、伊勢崎さんの話以外はあまり理解できず、エトさん(注:JNICC勝見のこと)のブログに詳しくまとめられていますので割愛します。

②自主企画:環境から見た基地問題

主催・憲法9条を生かす法律家有志の会

 9条の立場から「環境保護」を掲げ、基地問題を巡る法廷での争いと成果の紹介。一つは米国の「NHPA」(国家歴史的財産法【1992年改定】)を利用しての辺野古への基地移転阻止を目指す闘いの実例でした。(もう一つ横須賀の原子力空母母港化反対の法廷での争いの実例紹介もあったようですが、途中参加で理解できず)

「NHPA」訴訟はユニークな訴訟で、原告が「沖縄のジュゴン」で被告が「ラムズフェルド国防長官(当時)」という米国で提訴された訴訟です。辺野古への基地移転が、沖縄のジュゴンの生態系維持への十分な配慮がされていないので、NHPAに基づく十分な措置を求める」ものだそうです。

 この法廷での争いの戦略は、日本の環境アセス等のザル保護法とは比べ物にならないほど厳しい、米国の環境文化財保護法を利用する事で、基地移転を遅らせ、その間に移転反対の世論を一層盛り上げ、最終的に断念に追い込もうと言うものです。そしてこれが可能なのは、次のような場合だそうです。

①「NHPA」法が、米国内だけでなく海外における米国の関わる行為であっても、その当該国の同種の保護法の規制を受ける場合には「NHPA」法の規制も受けるという法律であること。
日本国憲法が一般法の埒外の別格の存在としての軍隊を認めず、日米安保もその制約を受け、従って米軍やその施設も(一部例外はあるが)日本の一般法である環境保護法の制約をうけること

 そして結果、下級審で勝訴し「NHPA」に適合する「十分な措置」が実施されなければ、現在の計画通りの移転が困難な状況に追い込むことに成功した成果が報告されました。

 環境法律家連盟の籠橋隆明弁護士(ビデオ出演)の代理でこられた西川弁護士は最後にこう述べていました。

西川弁護士
人権や自由を尊重する軍隊」や「環境に優しいエコ兵器」などは原理上存在しえない。軍隊や基地が在る所には、常に人権問題や環境問題が在る。

 そして住民として辺野古での反対運動を続けておられる大西照男さんの最後の言葉は、とても強烈に私の印象に残りました。

大西照男さん
日本国憲法を押し付けられた憲法だと言うが、本当の意味で押し付けられたと言えるのは、制定時に意思表示の権利すら奪われていた沖縄県民だけです。そして沖縄県民が本当に押し付けられたと感じているのは、日本国憲法ではなく、憲法同様意思表示の機会を得られないまま決定された日米安保であり、今ある米軍基地なのです」

文責:aiti2521
改編:JNICC勝見