国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

コラム:(4)日本の採るべき選択は二者択一なのか(第二部)

実行計画まで練りあがったところで、「アフガン東京平和の再構築会議」を招集します。そして事前の外交上の根回しで、会議の意図がアフガンの平和再構築であり、アフガンに平和が定着していないことを自他共(アフガンと国際社会)にあらかじめ認めさせたうえで、参加を募ります。これは、非常に損な役回りであり、そうした役回りを演じてきたことのない日本が自ら、現体制のままでこのようなこと実施できるとは考えていません。なぜなら、官が嫌がるからです。官にとっての国益は国威の発揚であり、国際社会に煙たがられることではないからです。しかしそこは達観して、真の国益が何なのかを冷静に考えれば、他の国がやりたがらないことを率先してやり、やり遂げることの名誉と偉業こそが、真の国益に繋がるのだということがわかるはずです。もしわからないのだとしても、そこは政治が押し切ります。

問題は政治がそこまでの強い意思と覚悟を持つかです。そこが、与党・野党を問わず、立法府と行政府も一体となってオールジャパンで臨むことの意義です。単なる官・軍・民の連携では、オールジャパンにはなりません。そこに「政」の強力なリーダーシップがあって初めて、「オールジャパン」の取り組みとなるのです。

仕切り直し(4):和平調停の実践
東京会議の結果を受け、国連主導、リード国・日本で和平調停を実施します。ここでは、会議の合意内容が大きく左右しますが、基本的に「紛争当事者」である他のG8諸国には「調停」はできません。「美しい誤解」という観念的な担保と、給油から離れてすべての「紛争支援」活動から離脱して、行動によって戦争への関与を否定した日本だからこそ、「調停者」として名乗りを挙げることができるのです。これに「NO」といえる国は存在しません。これが、給油を止める最大の理由です。「和平の障害」だから止めるのです。違憲だとか、決議があるとかないとか、そんなことは、真の国際貢献が念頭にあれば、本来どうでもよいことなのです。水面下では和解を望んでいる米国も、日本が新たに担う役割について、異は唱えないでしょう。むしろ、調停推進のための協力を水面下でも表でも、徐々に本格化するはずです。それが、イラクとアフガンの「双子の負債」を抱える米国にとっても、国益となるからです。

さて、米国の「黙認」のもと実施される和平で鍵となるのは、隣国パキスタンの存在です。

(未完)