国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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所感:日弁連・国際刑事法プレシンポジウムに参加して

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              プレシンポジウムでのパネル・ディスカッションの模様

所感:市民社会が「次のステップ」に進むための貴重な機会

今回の日弁連主催の国際刑事法プレシンポジウム『国際刑事法セミナープレシンポジウム:国際刑事裁判所規程への加入が日本の司法制度を変える!?』では、国内法における実務レベルでのローマ規程の施行について考える上で、非常に有意義な議論が行われたと感じました。本日の閣議決定を受け、いよいよ批准日程が迫ってきたなか、私たち市民社会は、「次のステップ」を考える段階に来ています。それは、JNICCの発足当初から掲げてきた「実効性のある国際刑事裁判所の確立」のために、国内の施行レベルでどのようにその実効性を確保するかについて、国内での認識と議論を高めることです。

今回のプレシンポジウムは、プレシンポというには勿体ないほど内容の充実した、また新たな課題を浮き彫りにする有意義なディスカッションの場となったと私は感じました。とりわけ、前田先生(日弁連刑事弁護センター副委員長)の仰る刑事手続きに関する「可視化」の課題や、東澤先生(国際刑事弁護士会ICB)理事)の仰った「ICBにおけるICC登録弁護士に日本人弁護士が1人もいない」という問題で、法曹界だけでなく学術会も含めた市民社会全体が連携して何らかの人材育成策を講じなければならないという点について、これからも日弁連ICB・JNICC・学術会が共同で連携して取り組める課題なのではないかと感じました。