国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

【訂正】(前編)国連の「強制失踪条約」にICCの記載なし

国連総会が採択した「強制失踪条約」にICCの記載なしと確認

JNICC(国際刑事裁判所問題日本ネットワーク:東京)では22日、第61回国連総会にて採択された「強制失踪条約」について、国内の一連の報道において一様に国家による個人の拉致・拘束を「人道に対する罪」と明確に規定し、この犯罪を犯した者が国際刑事裁判所(ICC)などの罰則対象となると報じられたことについて検証を重ねてきました。
その結果、アジアの同志の協力により、同条約に「ICC」に関する記述がなかったことが確認されました。国連の強制失踪条約は、強制失踪の罪についてその捜査・訴追をICCに付託するものはありません。また、JNICCは、同条約に記述される「人道に対する罪」が国際刑事裁判所規程(ローマ規程)に定義される犯罪としての「人道に対する罪」と同義、あるいは同規程を参照しているかという点についても、確認はできなかったと結論づけます。

国際刑事裁判所を求めるNGO連合(CICC)の一員であるJNICCとしては、同条約にICCの記述があったとすればそれは歓迎するべきことであり、前の記事でも述べているように、人道に対する罪を構成する罪として、強制失踪が国際刑事裁判所(ICC)の管轄下にある犯罪であると規定することを国際社会が認めた」ことは喜ばしく、かつ画期的なことです。たとえ採択なしとはいえ、国連総会で採択がなされたということは、「国連のすべての加盟国が、ICCの実効性ならびに国際刑事法システムのなかでICCが果たす役割を認めた」ことになるからです。JNICCとしては、これが事実であれば「ICCの明るい展望を示す歴史的なターニングポイントとなるかもしれない」とまで述べていました。

が、しかし、事実は異なりました。同条約にICCに関する記述はなかったのです。

したがってJNICCとしては、前言を撤回せざるを得ないためこうして緊急に訂正投稿をすることになりました。
次の投稿では、その検証の経緯を綴ってJNICCの訂正理由を明らかにします。(続く)