国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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【報告】予算増枠を認めてハーグ締約国会議が閉幕(2006.12.03)

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  発表を行うCBF委員長を凝視するカターラICC書記官、紛糾した予算に関する非公式協議(27日)

ハーグ締約国会議、日本提示の条件を呑んで閉幕

2006年11月23日から12月1日の8日間の日程で行われた国際刑事裁判所ICC)の運営に関する第5回ICC締約国会議(ASP)が閉幕。2007年度の通常予算に約8,887万EUR(約137億円)が、運営資本金に約740万EUR(約11億円)がそれぞれ承認され、CANZ(カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)諸国が提示したICC予算の負担比率に対する国連分担金負担比率と同等のシーリング(上限)適用案が採用された。
これにより日本が提示した加入条件が整ったため、日本の来年度加入が確実視されることとなった。

また、被害者信託基金(Victims Trust Fund=VTF)の理事には現職の4名の再選が認められ、昨年度から欠員となっているアジア枠(女性)の選出については来年1月ニューヨークで行われる第五回ASP会議の再開協議(Resumed Fifth Session)まで延期されることが決定した。任期は2006年12月1日から3年。再選された4名のVTF理事は次のとおり。

Desmond Tutu大主教南アフリカ;アフリカ枠)
Tadeusz Mazowiecki氏(ポーランド;東欧枠)
Arthur N.R. Robinson氏(トリニダード・トバゴ中南米枠)
Simone Veil氏(フランス;西欧その他枠) 

オブザーバー参加を認められたNGO側からは、米国が展開する反ICC政策「二国間免責協定(BIA)」戦略解説)については米国ICC-NGO連合のAMICC(American Coalition for the ICCより報告があり、近年軟化傾向にあることを示す具体例が挙げられ、同戦略にさらされる途上国などに対し出口戦略が提示された(参考〔英文─全訳予定〕)。

またICCアウトリーチ(理解促進活動)機能の強化については、アムネスティ・インターナショナルヒューマンライツ・ウォッチなどから、ICCの申請に応じた予算枠の拡大が提案され、これらの提案を考慮したASP直属の予算財政委員会(Committee on Budget and Finance=CBF)の勧告が全体会議で採択されることにより採用された形となった。