国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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【ウガンダ】(上)現地メディアによる和平交渉責任者とのインタビュー(訳)

「Arrest Warrants for Kony Are a Boost to Juba Talks」(2006年10月15日付けThe Monitor紙によるインタビュー)より

ICCの逮捕状は交渉の強みになる」和平交渉の政府代表(上)


2006年10月16日
インタビュアー: Emmanuel Gyezaho(太字)
インタビュー相手: 和平交渉ウガンダ政府代表Ruhakana Rugunda内相(囲み)
ジュバでの空色は決してよろしくないようですが、情勢は厳しくないですか?
空色は決して悪くはない。ナイルからのそよ風が、ときたま新鮮な空気を運んでくれている。我々はナイルのほとりで交渉を行っているのだからね。

つまり、ナイルの幻想的な美しさを楽しみながら、朝夕、太陽を眺めているゆとりが持てている、と?
時と場合によるがね。とくに、仕事に追われてないときや、仕事がひと段落したときには、そういったゆとりが生じることもある。

反乱軍との和平交渉が始まってからちょうど3ヵ月が経ちました。内相はこれまでの経過をどのように評価されていますか?
まあ、実際はもっと早いペースで交渉を進めたいとは思っている。本当なら、このくらい時期には交渉を終えていたかった。だが和平交渉には独特のダイナミズムや特長が伴う。交渉をすんなりとは進ませてはくれないものだ。しかし進展は見られており、我々は交渉をより速やかに進められるよう努力しているところだ。

ウガンダ政府は国際刑事裁判所(以下、ICC)に対して、起訴されたジョセフ・コニー容疑者およびその他の指揮官について、その拘束を書簡にて要請したと聞きます。しかし反乱軍側は、指導部に対する逮捕状が取り下げられない限り、平和協定には調印しないと宣言している。交渉が難航するのも当然のような気がするのですが、これについてはどのように思われますか?
ICCと我が政府は、紛争に終止符を打ち正義をもたらすために協力し合ってきた。我々の方からICCに行き、LRAに対する案件を付託したのだ。起訴状は、ICCによる綿密な捜査の結果発行されたものであり、いまでも有効だ。これらの起訴状は、和平が成立し、Mato Oputの儀式が恙無く執り行われ、収容所送りになった人々がそれぞれの村に帰りつき、免責がまったく行われなかったという確証を得て初めて、無効となる。

我が政府としては、それまではICCを有効な手段として活用する。従来の方法でも正義がなされ、それによって免責の問題もなくなる。そのときに初めて、ICCは我が国における新しい、そして前向きな傾向を考慮に入れて、その判断について再検討することができるだろう。

(下)に続く・・