国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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〔06年下半期〕国際刑事裁判所の発足後の歴史(2007.01.13更新)

国際刑事裁判所ICC)発足後の発展の歴史 (2006年下半期)

2006年6月

・14日: 国連安全保障理事会にて、ICCモレノオカンポ検察官がスーダンダルフールに関する三回目の報告を行う。検察官は、ダルフールで行われていると見られる戦争犯罪に関する調査の進捗について報告した。報告は、国連安保理によるICCへのスーダンダルフールの案件の付託に伴い、ICCの検察局に対して6カ月ごとの報告を求める国連安保理決議第1593号の規定(概要)に基づいて行われた。
2006年8月

・30日: 日本政府が2007年7月中にローマ規程に批准して同条約に加入する方針を表明。2007年1月からの通常国会で、加入のための承認手続きとともに、犯罪人の引き渡しや証拠の提供などICCとの具体的な協力内容を定めた関連国内法の整備が図られる。またこれに関連し、外務省の来年度予算概算要求にICCへの分担金として19億8000万円(半額)が計上された。(各社の報道
2006年10月

・9日: 国連総会にて、ICCフィリップ・キルシュ裁判所長ICCの2005~2006年度の活動を報告する年次報告書を発表。報告の中でキルシュ所長は、ICCに対する正しい認識を一般に広めるための理解推進活動(アウトリーチ)の必要性と、ICCが有効に機能するために各締約国の協力がいかに必要かを説いた。(詳細

・13日: 国会の参院予算委員会にて、安倍総理大臣が公明党の魚住議員の質問に対する答弁で「国会の承認を得ることができれば、07年中にICC規程(条約)の締約をめざして必要な作業を着実に進めていきたい」と、政府首脳として初めて正式にICCへの加盟を表明。現役総理大臣として初めて具体的に条約加盟の日程に言及した。(各社の報道、及び会議録における全答弁内容の抜粋
2006年11月

・9日: ICC第一予審法廷が、コンゴ民主共和国武装勢力コンゴ愛国者同盟(UPC)の元指導者であるトマス・ルバンガ(Thomas Lubanga)被疑者の罪状を確認する公開予備審問を開始する。審問期間は3週間で、これによりルバンガ被疑者の罪状が確認されると、コンゴICCによる公判が行われる初の案件となる。(詳細
2006年12月

・1日: 第5回ICC締約国会議(ASP)が8日間の日程を終了して閉幕。NGO等の勧告に基づき、2007年度の通常予算(約137億円)運営資本金(約11億円)がそれぞれ承認され、被害者信託基金(VTF)の理事に現職の4名の再選が認められた。(詳細

・5日: 東京で開かれた第28回地球規模問題に取り組む国際議員連盟PGA)世界総会が2日間の日程を終了して閉幕。包括的な紛争対策や法の支配と和解の両立など、5項目の行動宣言が含まれる『東京宣言』が採択された。 (JNICC勝見の所感:1日目2日目)(参加者らによる報告

・14日: 国連安全保障理事会にて、ICCのオカンポ検察官がスーダンダルフールに関する四回目の報告を行う。検察官は、同地で行われた重大な犯罪についての捜査をほぼ完了し、遅くとも2007年2月までに訴追開始に必要な証拠を予審部に提出する予定であることを明らかにした。(詳細)

20日: 第61回国連総会にて強制失踪防止条約が採択される。組織的な強制的失踪を国際法で定義される「人道に対する罪」に当たると初めて規定。国内の一部の報道では、同条約に定める強制失踪が「国際刑事裁判所などによる処罰の対象となりうる」としているが、採択された条約案にはそのような記述はないことが確認されている。(詳細

・24日: 日本政府が国際刑事裁判所負担金額に充てる平成19年度(2007年度)予算として7.2億円が確保されたことを発表。外務省の推定負担金総額の30億円の約20%を、政府の公式資金として確保したことになる。(詳細記事外務省公式資料『平成19年度予算(PDF)』

・28日: 2008年の米大統領選出馬を決めている民主党ジョン・エドワーズ上院議員が記者会見でAP通信の記者の質問に答え、国際刑事裁判所に対する支持を言明。エドワーズ候補は、米政界の有力者としては今年初めて、国際刑事裁判所に対する賛同の意を公言したことになる。