国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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〔04年~05年〕国際刑事裁判所の発足後の歴史

国際刑事裁判所発足後の発展の歴史 (2004年~2005年)

2004年
  • 2004年1月: ICC検察官がコンゴ民主共和国(DRC)を含む3つの案件について初期捜査の段階に入ったことを発表。

  • 2004年6月24日: DRC領内で行われたとみられるICCの管轄に属すると考えられる犯罪について、正式に捜査を開始したことをICC検察局が発表(英文プレスリリース)。捜査開始に先立ち、オカンポ検察官は2004年4月19日に、同国のカビラ大統領より正式に案件の付託があったことを発表していた。

  • 2004年7月29日: ウガンダ共和国領内で行われたとみられるICCの管轄権に属すると考えられる犯罪について、正式に捜査を開始したことをICC検察局が発表(英文プレスリリース)。捜査開始に先立ち、オカンポ検察官は2003年12月に、同国のムセベニ大統領より正式に案件の付託があったことを発表していた。

  • 2004年9月: 第三回締約国会議が召集される。会議では、ヨルダンのザイード・アルフセイン皇太子殿下(H.R.H. Prince Zeid Ra’ad Zeid Al-Hussein)に替わりコスタリカブルーノ・ウガルテ大使(Bruno Stagno Ugarte)を2005年以後のASP議長に選出。またICCと国連との間の協力関係を推進するための地位協定の草案についてもこれを承認。

  • 2004年12月21日: 中央アフリカ共和国政府が案件をICCに付託。ICC検察局に対し、2002年7月1日以降に同国領内で行われた可能性のある、ICCの管轄に属すると考えられる犯罪についての捜査を進めるよう要請。

2005年
  • 2005年2月15日: コート・ジボワール共和国が同国領内で2002年9月19日以後に行われた犯罪について、ICCの管轄を受託したことに関してICC書記局が確認。

  • 2005年3月31日: 国連安全保障理事会決議(UNSC)1593号(概要)に、国連憲章第7章およびローマ規程第13条のbに従ってスーダンダルフールの案件をICCに付託する条文が初めて盛り込まれる。後日、ICC検察官は国連事務総長より、スーダン問題国際調査委員会から関連資料とともに、人道に対する罪を犯したとみられる51名の容疑者に関する極秘資料を入手。検察官はこれらの資料を確認したのち、ダルフールの案件に関して捜査を開始することを独自に決定する。

  • 2005年7月8日: 神の抵抗軍(LRA)の指導者と見られる5名に対し、ICC予審法廷は初めての逮捕状を発行。訴因は北ウガンダにおける人道に対する罪および戦争犯罪を犯した罪によるもの。逮捕状は被害者および証人の安全確保のため極秘とされ公開されなかった。

  • 2005年10月13日: ICC予審法廷はLRAのジョーセフ・コニー(Joseph Kony)容疑者他4名の計5名に対し、初めて公開逮捕状を発行。訴因は北ウガンダにおける人道に対する罪および戦争犯罪を犯した罪によるもの。ここでICC締約国の課題は、逮捕を実行することだったが、国連事務総長を含む国際社会は逮捕の実行を歓迎していた。