国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

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報道発表:国連分担率2.9ポイント縮小でICC予算の30億円を確保か

日本の国連分担金比率が、これまでの19.5%から16.6%に縮小され、2.9ポイント下げられました。

トラックバック先の自民ICC勉強会の外務省説明にあるとおり、この分担金比率が1%下がるだけで日本が支払う総額1,500億円の約20分の1が減り、75億円が支払い不要となるとのことで、この浮いた予算を国際刑事裁判所ICC)の分担金として試算されている約30億円の支払いに割り当てることが可能という見通しが、今年3月の段階ですでに述べられていました。ご存知のように、日本政府はこのほど、2007年度のICC加盟を目指すという表明を行いました。今回のこの報道は、この表明を裏付けるもので、各種報道にあったように、来年度予算の概算要求にICC分担金総額の63%(19億円)が確保されていた背景に、国連での分担金交渉が成功する見通しがあったという推測が容易に成り立ちます。

今回の2.9ポイントの縮小により、150億円を越える余剰予算(国連分担金として概算要求には確定前の19.5%のまま請求がなされている筈のため、縮小分はゆうに1%縮小時の試算の75億円の倍を超える計算になります)がどのように使われるかは定かではありません。しかしこれで、仮に日本がICCに2007年度加盟を果たした場合でも、分担費の30億円は余裕で支払えるという見積もりが確実になりました。このニュースを世界各国の同志が聞いたら、前回の「加盟の意思表明の報道」よりもさらに勇気付けられることでしょう。着実に政治が動いた─そんな実感が今更のようにひしひしと湧いてきます。

(時事)日本の予算分担率、16%台に=独自案不採用でも大幅減-国連委報告

 【ニューヨーク 5日】2007~09年の国連通常予算の分担率を現行方式で試算したところ、日本の分担率は従来の19.5%から16.6%に低下、中国は逆に2.1%から2.7%に上昇することが5日、分かった。日本の減少幅2.9ポイントと中国の増加幅0.6ポイントは全192加盟国中で最大。国連分担金委員会のまとめた報告書で判明した。
 分担率は、加盟国全体の国民総所得(GNI)総計に占める各国のGNI比を基に算出する。日本の分担率減は、低成長により日本のGNI比が低下したことを、中国の大幅増は同国の急速な経済成長をそれぞれ反映した形だ。 
2006/09/05-14:27(時事)