国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

【資料】(2)外務省資料(2005.11.30)に関する補足

 ICCの基本情報に続いて、次に、日本の現状について説明します。

日本の現状について②(外務省公開資料より)

●我が国は、ICC規程を採択した1998年のローマ外交会議に積極的に参加する等一貫して国際刑事
裁判所(ICC)の設立を支持し、その実現に向けて努力してきた。
(参考) ローマ会議以降も、ICCの立ち上げに向けて開催された10回にわたる準備委員会に参加。
ICC規程は未締結だが締約国会合にオブザーバーとして参加。平成14年12月及び平成16年12月
にはICC関係者が訪日し、我が国政府関係者や国際法研究者と意見交換。

● 国内外で我が国のICC規程早期締結に対する期待が高まっている。国際社会における重大な犯罪行
為の撲滅と予防、法の支配の徹底のためにも、ICCの加盟国となってこれを支えていくことには大きな
意義がある。
(参考) 
「国際刑事裁判所(ICC)の設立条約への早期批准をめざします。」(公明党マニフェストより)
「『国際刑事裁判所(ICC)』への早期加盟をめざします。」(民主党マニフェストより)

ICCに対する日本の取り組み

 日本は1998年のローマ会議に代表団を派遣し、以降もICC発足の2002年まで積極的に外交会議に参加してきており、条約に批准(加盟)はしていないものの、国家としての関心の高さを国際社会に示してきました。また発足後も、ASP(締約国会議)にオブザーバー資格で参加してきており、侵略の罪の定義に関して協議する特別会合にも常に出席しています。
 しかしこうした積極姿勢とは裏腹に、国際条約慣習上は、日本はローマ規程(ICC条約)に署名も批准もしておらず、署名期限の2000年末までに署名を行っていないことなどからも、日本がICCへの加盟に非常に慎重な姿勢を示し続けてきたことが窺えます。それがなぜなのかは、次回の記事で明らかにします。

《つづく》