国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

(上)第2回「自民ICC議員連盟会合」報告(2007.05.15)

自民党ICC議連が2回目の会合を開催 議連存続の意義を確認

自民党のICC議員連盟(以下ICC議連)の会合が05月15日(火)午前8時より自民党本部リバティ4にて行われた。本人出席9名、代理出席20名。柴山昌彦(ICC議連事務局長)の司会で開会。(出席者名簿

ICC議連会長・事務局長の挨拶


高村正彦(ICC議連会長)の挨拶
みなさまのお力でICCへ加盟することがきまりました。役所の皆様方にも大変ご苦労様でした。この議連ができたことによって外務省、法務省内閣法制局の背中を押したという効果はあったかと思います。目的は達成したのでこの議連は解散してもいいぐらいですが、まだまだ課題があるので、ローマ規程を改正するときに積極的に関わっていかなければいけない。裁判官の選出や、他の国々への加入への働きかけをしていかなくてはいけない。というわけで当面、この議連もやれることがあるのではないかという意見も多いということで存続させていく考えであります。大目的を達成したその後、早朝から参加していただきました奇特な方々に心から御礼を申し上げます。

柴山昌彦事務局長(司会)の挨拶
当議連および公明党のICC法案成立を目指す小委員会とあわせて活動を行ってきたことがローマ条約承認に向けて大きな影響を与えたと思っております。それでは外務省の小松一郎国際法局局長と法務省の刑事局国際課菊池浩国際刑事企画官からこれまでの経過と今後の課題について説明していただきたいと思います。

外務省からの説明

外務省国際法局の小松一郎局長
今国会で満場一致で議決され、議連の方々に本当に背中を押していただいた思いで心から感謝を申し上げる次第でございます。98年のローマ規程の作成の会合がありまして、法務省と二人三脚で参加、日本の意見も言いまして、所定の必要な条約の修正などを確保したわけでございます。実施国内法の問題、分担金の問題がありましたが、予算の面でも主計局が、議連ができた翌日から外務省がそういう方針なら予算をつけざるを得ないでしょうねと態度が変わった。実施国内法の問題も内閣法制局への対応を心配していたが、結果的に協力的な対応をいただいたので無事今日に至ります。

今後の日程
国会で承認され、同法律案も可決された。あとは技術的な問題で、役所で出来ることでございますが、関連法令及び規則等の整備を行います。すなわち

(1)政令(没収保全と滞納処分との手続きの調整)
(2)最高裁判所規則(証拠の提供や犯罪人引渡しの手続き等)
(3)国家公安委員会規則(緊急着陸の際の引渡し対象者の取り扱い
(4)、財務省省令(罰金及び没収の際の送金手続き)
(5)7月中にICCローマ規程の加入書の寄託(閣議決定
(6)国連事務総長に寄託
(7)10月1日にICCローマ規程が日本について発効

11月30日~12月14日(予定)の第六回ICC締約国会合がニューヨークで行われ、
ここでは晴れてメンバーとしてものを申したい。

2009年のローマ規程検討会議や、国会審議で各党で指摘された通り、裁判官や職員など
人もきちんと出すことを検討したい。

法務省からの説明

法務省刑事局国際課の菊池浩国際刑事企画官
法律の成立にあたり、ICC議連の先生方から多大なるご指導、力添えをいただき成立にいたりましたことまことに感謝申し上げます。法務省としても外務省と協力していきたいと存じます。

「質疑応答編」に続く