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【日報】(前編)ウェリントン会議に関する報告会への参加報告

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報告を行う各関係者(右から山口・猪口両議院、外務省平野室長、JCBL運営委員目加田氏)



ウェリントン会議に関する報告会について(前編)

今週の火曜日(4日)、衆議院第二議員会館にてクラスター爆弾ウェリントン会議に関する報告会」が行われ、以下の関係者よりそれぞれ会議の内容・評価や所感について報告が行われました。犬塚議員が他の会議に拘束されていたため、私が議員の代理で出席しました。

報告者(報告順)
クラスター爆弾に関するウィーン会議に向けた議員間フォーラム
衆議院議員猪口邦子(くにこ)(自)、日本国会代表団団長
衆議院議員山口 壯((つよし)(民)、日本国会代表団

地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)
・目加田設子(もとこ)中央大学総合政策学部教授、JCBL運営委員

外務省総合外交政策軍縮不拡散・科学部通常兵器室
・平野隆一(りゅういち)、室長

議員間フォーラムからの報告では、2007年12月4日にオーストリアのウィーンで開催されたクラスター爆弾に関する初の国際議員フォーラムについての報告が行われました。

この国際フォーラムへの参加は、オーストリアの共和国国民議会議議長のバーバラ・プラマー(Barbara Prammer)氏によって提案され、同議長から正式に招請状を受領した河野洋介衆議院議長の判断により、日本からも議員団を派遣することが決定したことにより実現しました。

同フォーラムでは、猪口団長がいの一番で発言を行い、初の議員間の国際フォーラムにおいて日本の存在感を見せ付けたそうです。その内容に関する資料は全て英文のため、同団長が行った提案部分のみを抜粋して翻訳します。

オスロ・プロセス推進のためには次の整備を行う必要がある。
1)国際的な支援と協力が不可欠であり、とくに被害者支援についてその社会復帰支援のための枠組みを構築すること
2)文民保護のために警戒、危機管理教育、マーキング、物理的包囲、および監視体制の構築
3)技術的・科学的情報の共有を可能にする協力手法についての議論を深め合意すること
4)最も広範な支持を得られやすい項目から取り組むべきであり、そのためまずは危険度の高いクラスター爆弾及び関連する弾薬についてのみその生産と移送を禁止するというのはどうか。これにより現代の国際社会において「規制に準じないクラスター弾薬の使用はもはや許されない」という新しい慣習の土台がつくられるのではないか。このような土台を踏み台にして、より包括的かつ法的拘束力のある条約を採択できるのではないかと思われる。

超党派議連設立の呼びかけ

猪口団長は全ての報告が終了したのち、報道にあるように参加議員全員に対してクラスター爆弾の禁止を促進する超党派の議員連合の設立を呼びかけました。この呼びかけについて、参加議員から様々な意見が出され、議連発足の意志を持つ形で会は閉会しました。ただ。議連を作るには人集め・役員の割当てなど時間のかかる作業があり、既存の議連(対人地雷禁止議連等)との兼ね合い(重複人事等)もあるので政治的には一筋縄でいかない、難しい船出となりそうな感があります。

(「中編」へ続く)