国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

【コメント】国会でのローマ規程批准に関する犬塚議員の祝辞メッセージ(2007.04.27)

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           ローマ規程批准の全会一致の承認に麻生大臣が礼をもって応えた瞬間

本日、参議院本会議にて、国際刑事裁判所ローマ規程、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案、及び付帯決議が全会一致にて可決されたことを受け、長くその推進に関わってきた民主党参議院議員犬塚直史議員は以下の声明を発表した。(※ホームページでも見れます)

我国のICCローマ規程批准を祝す

本日11時30分、参議院本会議でICCローマ規程が全会一致で批准されました。今まで応援して頂いた皆さんに心から厚く御礼申し上げるとともに、この瞬間に立会えた事を共に喜び合いたいと思います。

昨年12月に東京で開催されたPGA(地球規模問題に取組む国際議員連盟)総会「ICCと人間の安全保障」では、我国の超党派議員、関係各位のご協力により、フィリップキルシュICC所長、緒方貞子JICA理事長の参加も得て、世界59ヶ国、142名の国会議員が日本を訪れました。この会議を成功に導いて頂いた皆さんにもこの機会に厚く御礼申し上げます。

思えばICCは、第二次世界大戦後のニュルンベルグ裁判、極東軍事裁判の後、国連のILC国際法委員会で議論が重ねられ、さらに、旧ユーゴ国際刑事裁判所ルワンダ国際刑事裁判所の経験を経て、人類が初めて手にした常設の国際刑事裁判所です。

東京裁判を経験した我国がICCに加盟し、これを育て、しっかりと政策に位置づけて行くことがこれからの課題です。なぜなら日本外交の柱は「人間の安全保障」であり、それと同時にICC国際刑事裁判所の根底にあるのも「人間の安全保障」の理念そのものだからです。

2009年に予定されているローマ規程検討会議に、日本は締約国として参加することになります。ここでは、「侵略」「大量破壊兵器」「テロ」「麻薬取引」などがICCの管轄権に含められることも検討されます。第二次世界大戦後の秩序づくりに参加できなかった日本が、冷戦後の秩序づくりに加わり、我国らしい貢献をして行くことが今こそ求められています。

ICCの発展は、力の支配から法の支配へと向かう国際社会の歴史的な前進です。我国も今日から締約国として、この共同作業に加わることになります。しかしながら、こうした国際社会の努力、そして日本の貢献は決してこれが初めてではなく、また最後のものでもないことを確認して関係各位、友人、同士の皆さんに心からの連帯を送ります。

感謝を込めて

2007年4月27日
参議院議員 犬塚直史