国際刑事裁判所(ICC)と日本 [はてな版]

人間の安全保障の発展に貢献する日本と世界の道筋と行く末を見つめます。

【日報】記録映画『原爆の火』の試写を観てきました(2008.3.26更新)

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(1)上映後、映画製作について語る監督のマット・テイラー氏(犬塚議員との語らい
(2)同じく上映後、各メディアのインタビューに応える犬塚議員
(3)試写会に訪れていた俳優の高橋克典さんと永井大さん(関連記事1)(2)(3
(4)同じくインタビューに応えるタレントのデーブ・スペクターさん
(5)最後に会場出口で配られた、解体核兵器から再加工されたアクセサリー(携帯ストラップ)


記録映画『原爆の火』を観て

今日は仕事の後、犬塚議員に誘われてドキュメンタリー映画『原爆の火~零時三分前~(Atomic Flame, Three Minutes to Midnight)』の試写会に参加してきました。あいにく、仕事の途中で呼び出しがあり、上映開始から10分ほど見損ねてしまったのですが、その10分を差し引いても余りあるほど、衝撃的な映画でした。

この貴重な映画の特別試写会に参加できたのは、映画議員連盟という議連の存在のおかげでした。通常だったら、6月までこの映画の存在を知らないで終わっていたかもしれません。呼び出してくれた犬塚議員の奥様に本当に感謝です。

この映画を観るまで、私は「原爆の火」という物の存在と、それが原爆の発祥地であるトリニティーサイトに届けられたという事実は知りながらも、その意義と重みをまったく理解していませんでした。ニュースや報道で知りながらも、深く知ろうとしなかったためその重要性に気付かなかったのです。この映画を観て、当時リアルタイムでなぜもっと関心を持って見なかったのか、正直、深く後悔しました。

尚、この映画の収益金はすべて、映画を製作した世界核兵器解体基金(GND Fund)により、核兵器解体の資金として運用されます。GND Fundではこの資金を運用して核兵器の解体支援を行い、さらに解体した核汚染されていない部品をアクセサリーなどの若者向け商品に再加工して販売し、この収益を運用してさらに核兵器の解体を進めます。会場では、こうして再加工されたピースマークを模ったアクセサリー(携帯ストラップ)が試写会参加者全員に記念品として贈呈されました。議員と私は、さっそくこれをそれぞれの携帯やPDAに取り付けた次第です。

まだまだ、上映まで時間があるので全容を明かすわけにはいかないのですが、この映画が伝えている「25日間2500kmの行脚」は2005年当時、世界中のマスコミで大きく取り上げられたことなので、少しくらいは内容をお伝えしてもよいのでしょう。

原爆の火』は、自身が被爆者である広島のお寺の住職や、末期ガンに冒された高齢の僧侶が、二度と原爆の悲劇を起こすまいと祈りを込めて行ったアメリカ西海岸縦断の驚異の行脚を、ドキュメンタリードラマとして記録したものです。

原爆投下後の広島で奇跡的に残り、62年ものあいだ灯され続けてきた「原爆の火」を、その原爆発祥の地、アメリカ・ニューメキシコのトリニティー・サイトへ戻しそこで消し去ることで、“破滅の輪”を断ち切り、不幸を終わらせる──そのために、僧侶たちは広島から海路渡米し、原爆がサイパンの米軍基地に運び込まれた出発地であるサンフランシスコの港から、逆の道をたどってトリニティー・サイト原爆実験場へと、2,500kmに及ぶ道のりをただひたすら行脚します。

道中、僧侶たちはさまざまなものに遭遇し、アメリカの人々の人情に触れます。そして最初、冷やかしたり笑っていた人たちも、いつの間にか僧侶たちの熱意に引き込まれ、道行く人々が僧侶たちを励まし、助け、辛い旅路を支えます。そこには様々な人間模様があり、また実は日本の被爆者だけでなく、多くの人々が、原爆の作られたアメリカで、原爆の脅威に曝され人生を狂わされてきたことがわかってきます。そしてそれらの人たちが手に手を携え、原爆が誕生したトリニティー・サイトに向かうのです。

私はこの行脚の意義を知ったあたりから、もう涙を堪えるのに必死でした。見ていて、本当に苦しくなり、切なくなり、最後には嗚咽を漏らしながら涙が流れるままにしていました。それと同時に、国境を越えた人間愛、平和への願い、共感、やさしさ、どれもが素晴らしく、感動しました。

この素晴らしい映画は今年6月から、全国主要映画館(30館と聞いています)で上映予定です。試写会に参加できたのは本当に幸運でした。夏に上映されたら是非足をお運びください。

日本人として、いえ、いち人間として、心に刻みたい映画です。

YouTube予告編 (その他のプロモ画像はコチラ


※本記事のミラーサイト版では「議員秘書のささやき」と題して五行歌を綴っています。
五行歌をご覧になりたい方はミラーサイトに是非お越し下さい。

追記 2008.03.07
原爆すなわち核の削減・解体・違法化・廃絶は、当犬塚事務所が目指す紛争根絶のための人間の安全保障政策の理念の中でも欠かせない要素の1つです。とくに、昨年10月に国際刑事裁判所(ICC)への加盟を果たした今となっては、唯一の被爆国として核の違法化を次のICCローマ規程見直し会合(2010年に予定)で提案するのは、もはや日本にとっての使命ともいえるため、これを推進するのが早期加盟の公約を果たした当事務所の次なる目標となっています。

今回の試写を受けて、犬塚議員はこの新たな目標達成に向けて決意をあらため、その旨を映画製作者である世界核兵器解体基金(GND Fund)のエグゼクティブ・ディレクター、マット・テイラー氏(本作で出演兼監督)にも直接伝えました。

追記 2008.03.26
特別試写会の翌日(28日)、映画『原爆の火』を紹介したテレビ番組『とくダネ!』の紹介部分全編を収録したビデオが核兵器解体基金サイトにて公開されています。こちらをご覧ください(7分ほどあります)。