設立趣意書
国際刑事裁判所(ICC)とは、国際社会にとって最も深刻な罪(集団殺害(ジェノサイド)、拷問・レイプ・奴隷化などを含む人道に対する罪、戦争犯罪など)を犯した個人を国際法に基づき訴追し、処罰するための常設の国際刑事法廷である。我が国は、国際社会における最も深刻な犯罪の発生を防止し、もって国際の平和と安全を維持する観点から、一貫して国際刑事裁判所の設立を支持してきた。同裁判所の設立条約を採択した1998年の外交会議においては、日本政府代表団は異なる各国の立場の調整に尽力し、同条約の採択に大きく貢献した。しかし現在、日本はこの条約を未だ締結していない。
ICCへの加盟は、我が国として国際社会の最も深刻な罪の不処罰を許さないという決意の表明である。アジアの主要国である我が国の加盟は更に多くの国が加盟することを促進し、重大犯罪を犯した犯罪者に対する国際的な包囲網を広げることに貢献すると考えられる国際社会における重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配の徹底のために、日本が早期にICCの加盟国となってこれを支えていくことには大きな意義がある。
これまで自民党内の有志により勉強会を重ね、ICCの意義・概要・日本が加盟するための課題について理解を深め、その結果、関係する国内法の整備と加盟後の分担金の負担が主要な課題であることが明らかになった。
2009年にはICC設立条約の「見直し会合」や裁判官選挙が予定されている。これらの機会に加盟国として参加し、日本からも裁判官を輩出するためには、2006年度中にも関係国内法の整備や分担金の予算措置について目処をつけることが重要である。
我々は、日本がICC設立条約に早期に加入し、国際社会における重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配の徹底のために貢献することを目的として、ここに「国際刑事裁判所(ICC)議員連盟」を設立する。
2006年4月14日
国際刑事裁判所(ICC)議員連盟